今年1月、にスイス・チューリッヒで開かれたFIFA(国際サッカー連盟)主催のバロンドール表彰式で、
サッカーライターの賀川浩氏が日本人初となるFIFA会長賞を贈られました。
webニュース「産経WEST」(2015年5月5日【サッカーなんでやねん】)によると、ジャーナリストとして世界で初めてでもあったそうです。
昨年12月に満90歳になられた賀川さんは元サンケイスポーツ編集局長で、
サッカー・ワールドカップ(W杯)の1974年・西ドイツ大会(当時)から2014年のブラジル大会まで計10大会を現地取材されました。
会長賞は、そんなサッカー界への功績が評価されたようです。
今も現役で、
まさに「生きる名人」。
お手本にさせていただきたい方で、
あやかりたい。
昨年8月2日、神戸市立中央図書館で、
賀川さんが開いたW杯ブラジル大会の取材報告会は、
僕も拝聴し、
有り難いことに、ご挨拶までさせていただきました。
やはり、
好きなことを極めてきた人物独特の自由闊達さを感じました。
そのときはまだ「会長賞」は噂にものぼっていないような時期でしたけど、
もちろん、「賞」や「栄誉」を目的に活動されてきたのでありません。
やり続けることができた結果の受賞と栄誉です。
だから体調管理も必要だし、
90歳まで健康に活動できる「運」も関係してくるでしょう。
「神さま」も味方につけないといけないわけです。
その賀川さんの著書に『90歳の昔話ではない。 古今東西サッカークロニクル
90歳の「現役記者」ともなれば、
個人的な回顧でも充分に読み物になるのでしょうけど、
この本は違います。
序章で、ご自身の「記者稼業」スタートについて、
「当時の産経新聞編集局は、運動部の向こうの文化部に司馬遼太郎がデスクで座っていた頃。運動部にも社会部にも司馬さんと張り合う文章家のデスクたちがいたのも、大きな刺激だった」と書かれているくらいで、
懐古趣味的な部分なくて、
まさにタイトル通り「昔話ではない」。
サッカーの年代記や、
歴代の国内外の選手、
ご自身が取材したW杯について、
客観的な裏付けをもとにした分析などが、
綴られています。
そこには年齢を越えた普遍的ともいえる表現があります。
もちろん経験があっての結果なのでしょうけど…。
それだけに、
この本のなかで、
第三者が賀川さんについて書いた部分は貴重ともいえます。
そのひとつが国吉好弘さん(週刊サッカーマガジン編集部スーパーバイザー)が書かれた「『あとがき』にかえて」。
2002年の日韓W杯開催を目前に控えて、
別冊の発行など過酷な作業が予想された週刊サッカーマガジンの編集部が“本番”前に壮行会的なパーティーを開いたときのこと。
その席に参加した賀川さんは激励のスピーチの最後に、
「仕事が忙しくて、死んだ者はいない」とおっしゃったそうです。
「大変だけど、頑張ってください」というような言葉を漠然と予想していた編集部員たちは、
「肩透かしを食ったというか、妙に納得させられた」といい、
「そりゃそうだよな」という気分で肩の力が抜けたそうなんです。
そのお陰もあってか、
無事に乗り切ってW杯閉会後、通常の生活に戻ったそうなんです。
「仕事が忙しくて、死んだ者はいない」という言葉には異論がある方も少なくないと思います。
「過労死はどうなるんだ」というような指摘ですね。
でも、過労死は、
過酷な勤務・労働が心労になって誘引されるような気がします。
過労死は不幸な「労災」なのでしょう。
賀川さんにとって「仕事」は「労働」とは別のようです。
もちろん無茶な上司の命令に従ったり、、
生活のためだけに、こなしたりするものではない。
だから忙しくても心労が蓄積しないということなのかもしれません。
「仕事」をして生きていきたいと切に思います。
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