2015-06-23

「観劇三昧」と世界市場

戦争で死ねなかったお父さんのために (新潮文庫)

きょう(2015年6月23日)付の「フジサンケイ ビジネスアイ」によると、
演劇の動画配信サービス「観劇三昧」が会員数を伸ばしているそうです。

提供しているのは大阪市浪速区の「ネクステージ」という会社で、
1カ月980円で約200の舞台を好きなだけパソコンやスマホ、タブレットで見られるということです。

2013年8月にスタートさせて、
当初数人だった利用者は今年4月現在で1981人になったそうです。
収益は動画の再生数に応じて参加する劇団に比例配分。
取り扱う動画は関西の劇団が中心で、
「演劇三昧」のサイトによると、現在63劇団の公演が視聴可能です。

もちろん演劇はナマで観るのが基本でしょうけど、
僕は、この配信サービスはものすごく面白いというか、
今までなかったの?…という思いで関心を持ちました。

「1981人」の利用者が多いか少ないかは別にして、
この配信サービスがプラットホームになって、
ネット向けの演劇も可能だと考えたからです。

たとえば集客が難しい地方の劇団なんかは、
いっそ客席のない舞台で、
ネットに向けてだけ公演してもいいと思いました。

もうね、web上に劇場とか落語の定席とか小屋をつくる感じ。

僕が最も尊敬する演劇人・つかこうへい先生の作品なんて、
時代劇でも登場人物はジャージ姿とか、
ステージの上には机だけとかいうのがありましたけど、
感激しましたもんね。

中味が面白ければ、
どこでも劇場になるわけです。

そういえば、
僕が、つかさんの劇を初めてみたのは中学生のときかな、
確かNHKかなんかの若者向けの番組で、
「戦争で死ねなかったお父さんのために」でした。

ググってみたら、
NHKの「アーカイブス発掘プロジェクト」というサイトによると、
教育テレビの「若い広場」で、
1977年6月に放送されたようです。
スタジオにミニステージを作って、
つかさん演出の芝居(「戦争で死ねなかった…」)をしたそうですから、これだ

僕は中3か…。

あの舞台もテレビ向けに演出されていたんですね。

僕はあの放送をみて、
演劇っていうのにものすごく興味を持ちましたからね。

ただ、
和歌山の田舎なんで、
当然、つかさんの公演なんかない。

だから、つかさんの本をむさぼるように読みました。
同じ教育テレビで、
「若い広場」の「マイブック」のコーナーで、
つかさんがサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を紹介したら、
すぐに買って読みましたもんね。

で、
大学に入ったら、
京都で小劇場の舞台をけっこう観たし、
大阪で、つか劇団の公演があるといえば行きました。
実際に小劇場の裏方をやったこともあります。

つまり、
テレビが僕の演劇へのとっかかりになったんです。

だから、
ネットで舞台を観て興味を持つ若いヒトもいるはずだし、
演じる側からすれば、
ネット向けに舞台を作り上げる、
ネットに特化した劇団というのもありだと思いますが、
いかがですか?

台本があるから、
外国語に訳して字幕をつけやすいし、
リアルタイムでの配信も可能です。

こう書いても、
誰も、
斬新なアイデアだと思わないですよね。
当たり前に誰でもが考えることですもん。

逆に言えば、
的確なマネジメントと、
面白い芝居があればいい、
というシンプルな話。

発信する場所は問いませんもんね。
「無言劇」にすれば、
どこの国・地域でも楽しめてしまうし…。

ものすごくマイナーなタイプの舞台でも、
世界中の“マニア”が観るようになれば、
けっこうな市場になるはず。

最近、こんなことばかり考えている五十すぎのオッさんって、
どう思います?

ちなみに文章の流れに反映できなかったというか、
しなかったんですけど、
裏を明かすと、
「観劇三昧」のことをビジネスアイで読んで、
まず浮かんだのが、
中学時代にテレビで観た「戦争で死ねなかったお父さんのために」なんです。
あの経験がなければ、
今回の記事に興味を持たなかったかも…。

なんだか不思議なもんですね。

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