履歴書をつくってもらうために代書屋に来た松本留五郎が“主人公”です。
生年月日を言ってください、と言われたら「セーネンガッピ」と言ってしまうような人物ですから埒(らち)が明きません。
代書屋が「一体お幾つですねん?」と聞くと自信満々で「26です」と答えるのですが、代書屋は怪訝(けげん)な顔で「どう見ても40過ぎてまっせ」。だいたい、ここで客席からは笑いが起こりますね。
留五郎が、親父が死ぬ間際に、そう教えてくれたと言い張ると、小さめの笑い声が上がり、代書屋が「親父さん、いつ死なはったんです?」と聞くと「さあ、今朝もそれ、嬶(かか)と話することだっせ。『早いもんやなあ、おい、親父が死んでもう20年になるでェ』言うて」で大爆笑というような噺です。
年齡といえば、記者時代に取材で困ったことが何度もありました。日本の新聞って、だいたい取材相手の年齡を入れるんですね。芸能人なんかで公表していない場合や、ご覧になるとわかりますけど、政局、海外の政治経済のニュースなんかは別にして、だいたい年齡は入ってます。プロスポーツ選手の年齡をいちいち入れているのなんて日本くらいかもしれません。
駆け出しのころ、イベント取材なんかでコメントを取った来場者の年齡を聞き忘れてデスクに怒られた経験を持つ記者は少なくないはず。