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2016-11-28

住太夫師匠の言葉は不器用でも楽しく生きるコツが満載。

大阪市中央公会堂・大集会室=2016年11月24日(大阪市北区中之島)
先週木曜日(2016年11月24日)に、大阪・中之島の中央公会堂・大集会室で開かれた「文楽の夕べ」に行ってきました。

人形浄瑠璃「文楽」の魅力を紹介するイベントです。

文楽が2003年にユネスコの「無形文化遺産」に登録されることが事実上確定した翌年から毎年、開催されているそうで、今回で13回目。
文楽といえば大阪発祥の芸能なのにもかかわらず、主催は東京発祥の日本経済新聞社というのがかたじけない。無料なんです、抽選ですけど。

3部構成で、第1部は人間国宝で文化勲章を受章されている文楽太夫の竹本住太夫師匠と女優の南野陽子さんの対談です。

2014年に引退した住太夫師匠ですが、喘息と風邪の咳は演じ分けないといけないという話題になって、喘息の咳を披露してくださると、完全に会場は文楽ワールドで拍手喝采で、お客さんは大喜びでした。

もちろん壇上の南野陽子さんはまさに輝いて見えたのですが、住太夫師匠の存在感はそれ以上。拝見しているだけで有り難い気分になりました。これは大袈裟ではなく本当なんです。

引退は好きな道だっただけに辛(つら)かったそうです。文楽の義太夫語りは腹から“イキ”を出さないといけなのに、それがままならないようになって、お客さんへの申し訳なさから一線から退くことを決意されたそうです。

「生きるヒント」にできそうな滋味深い言葉もたくさん拝聴しました。

2015-11-18

中心のない生命体としての吉本興業

産経新聞大阪本社情報サイト「産経関西」も完全に閉鎖されたようなので、自分で書いて掲出していた『吉本興業の正体』(増田晶文著/草思社文庫)の紹介記事をもとにブログ用に書きなおしてみた。今後の吉本興業の動きにはとても興味があるので、現時点での自分用の目印を作っておきたいというのが動機である。著作権上は問題がないと判断している。

…というわけで。

「○○の正体」と銘打ったタイトルは、本や雑誌、そしてTV番組では「○○の秘密」や「○○の裏技」に匹敵するくらい、珍しくない。

で、読んで「どこが正体やねん!」と腑に落ちない思いをしたことも、また、珍しくない……はずだ。(「裏技」には感心することがあるけどね)

それが記憶や偏見に基づいた“正体本”への評価だった。

この本もまた、その類(たぐい)だろうと思っていた。何しろ素材があの「吉本」である。まず、お笑いや演芸という掴みどころがなく、時代の流れに影響されやすい“商品”を扱う会社に「正体もへったくれもないやろ…」という先入観があった。だから結局は「正体のわからない会社でした」という“オチ”で当然だと考えていた。

「○○の正体」という場合、「○○」にあたる対象が清く正しく高潔であればあるほど、「正体」とのギャップの大きさでインパクトが増幅される。そのうえ、最近は清純に見えるアイドルが実は元ヤンキーで…くらいのギャップではほとんどインパクトはない。なのに、その正体を暴かれる対象が「吉本興業」。ちょっとやそっと「エゲツナ~」(岡八郎さんを思い出して読んでください)な“素顔”が見えても驚かない…というのは少なくとも関西で生まれ育った人間のフツーの感覚である。

しかし、違った。

2015-06-09

効く音楽

Vintage Jam Session - 1954
聴いたら、
条件反射的に陽気になる音楽ってありますよね。
「そんなもんはない」というヒトは、置いといて…。
僕はあります。

「僕」というか、
ほぼ確信を持って関西人なら、
とりあえず肩の力は抜ける曲があります。

「吉本新喜劇のテーマ」といえば、
関西では誰もが思い浮かべてしまう、あの曲です。

正確にはJAZZトロンボーン奏者でヴォーカリストの、
Pee Wee Hunt(1907~79年)がバンドリーダーをつとめる曲「Somebody Stole My Gal」で、
訳せば「誰かが僕の彼女を盗っちゃった」でしょうか?

でも日本語にしようが、
モンゴル語にしようが、
このタイトルを聞いてメロディが頭に浮かぶ日本人はほとんどいないはず。

やはり「吉本新喜劇のテーマ」でないと、
ピンとこない。

「ナニワのモーツァルト」こと、キダタロー先生の作曲だと信じている大阪人も少なくないような気がします。

だって、
あのミュートをつけたトランペットの、
♪ほんわか、ほんわか、ほんわか♪
…っていう感じで始まる曲は、
「吉本新喜劇のテーマ」以外の何ものでもありません。

タコ焼きとか串かつのソースのにおいが漂ってくる感じで、
コテコテ感が充満ですもん。

何といいても、あの曲を聞くと、
岡八郎(2003年4月以降は、岡八朗)や花紀京、原哲夫から始まって、
桑原和子、池乃めだか、辻本茂雄、内場勝則…みたいな感じで頭のなかをみなさんの顔が走馬灯のように流れていきます。

もう関西人のソウルミュージックそのもので、
この曲が耳に入ってくると、
陰気な顔はできません。

逆に言うと、
葬式では絶対に流してはいけないBGMだともいえます。

吉本新喜劇の方が亡くなった場合なら別かもしれないけど…。
それでも天寿を全うしたとか、いうケースに限定されるような気がします。

この曲がPee Wee Huntのバンドの演奏だっていうのは知ってたんですけど、
不覚だったのは、
そのHuntがトロンボニストだっていうことは知らなかったことです。

先日、偶然にそれがわかって、、
「えっ、そうなん!」ってことで、
CDを探しましたよ。

ところがです。

この曲が入ったCDが見つからない。

ダウンロード版ばかり…。

…というわけで、
生まれて初めて、
アルバムをダウンロードして買いました。
「Vintage Jam Session - 1954」っていうタイトルです。

CDというパッケージ商品にこだわっていたし、
JAZZの定番アルバムとなると、
ダウンロードの方が高いっていう場合も少なくなったので、
CDで買う方がお得感はあったんですよね。

ところが、
最近は円安の影響で、
輸入CDが高くなってきました。

もしかしたら、
CDがレコードに取って代わったように、
日本でもダウンロードのデジタル音楽が主流になる転機かも。
JAZZの名盤は軒並み安くなってきましたしね。

あと5年もしたら、
「あれが分岐点だったなぁ」という話なんかするんでしょうかね。

ただね、
僕の場合、
その歴史的かもしれないときに買ったのが“新喜劇のテーマ”なんですよね。

この曲を心に思い浮かべれば、
難しい顔はできないわけです。

たぶん、
これからダウンロード音楽の話題になると、
僕の頭のなかには、
「Somebody Stole My Gal」が条件反射のように流れるのは絶対確実です。

それにしても、
この曲を聴いて陽気な気分にならない関西人っているんでしょうかね。

沈んだ気分を上げる特効薬!
聴けば効くって感じですもん。
富山の置き薬より強力かも…って、
まだ富山の置き薬ってあるんですかね。

それはさておき、
「Somebody Stole My Gal」。
大阪の家庭にとっては、
タコ焼き器のような存在かもしれません。