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| 大阪市中央公会堂・大集会室=2016年11月24日(大阪市北区中之島) |
人形浄瑠璃「文楽」の魅力を紹介するイベントです。
文楽が2003年にユネスコの「無形文化遺産」に登録されることが事実上確定した翌年から毎年、開催されているそうで、今回で13回目。
文楽といえば大阪発祥の芸能なのにもかかわらず、主催は東京発祥の日本経済新聞社というのがかたじけない。無料なんです、抽選ですけど。
3部構成で、第1部は人間国宝で文化勲章を受章されている文楽太夫の竹本住太夫師匠と女優の南野陽子さんの対談です。
2014年に引退した住太夫師匠ですが、喘息と風邪の咳は演じ分けないといけないという話題になって、喘息の咳を披露してくださると、完全に会場は文楽ワールドで拍手喝采で、お客さんは大喜びでした。
もちろん壇上の南野陽子さんはまさに輝いて見えたのですが、住太夫師匠の存在感はそれ以上。拝見しているだけで有り難い気分になりました。これは大袈裟ではなく本当なんです。
引退は好きな道だっただけに辛(つら)かったそうです。文楽の義太夫語りは腹から“イキ”を出さないといけなのに、それがままならないようになって、お客さんへの申し訳なさから一線から退くことを決意されたそうです。
「生きるヒント」にできそうな滋味深い言葉もたくさん拝聴しました。
そのなかのいくつかを紹介させていただくと…。
「上手にやろうとすると芸が萎縮する。肩の力を抜いて基本に忠実にやってたら、60をすぎて歳(とし)いってきたら上手そうに聞こえますねん」
「下手の横好きでいいんです。好きにならなあかん」
「本当のこと本当にやったら芸になりません。嘘を誠にするのんが芸」
「父から『下手が上手ぶってやったら聞いてられへん』って言われました。意識したらいけませんな。(舞台に)出たら最後、まな板の上の鯉。『わしの浄瑠璃、聞いとけ』です。先輩も舞台の上にまで怒りにきませんわ」
…等など。
「声も悪い。覚えも悪く不器用やった」と、おっしゃるご自身は、先輩からボロクソに怒られて落ち込んだり、腹が立ったりもしたそうです。でも辞めようと思ったことはないそうです。
やはり「好き」という気持ちは大切なんですね。
ちなみに対談相手の南野陽子さんは住太夫師匠からのご指名だそうです。
第2部は「義経千本桜」から四段目「道行初音旅(みちゆきはつねのたび)」のミニ公演で、太夫は竹本文字久太夫ら、三味線は鶴澤藤蔵ら、人形は桐竹勘十郎ら…というメンバー。第3部は公演した3人により座談会「楽しい文楽鑑賞法」というプログラムでした。

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