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2015-07-04

言いたかったけど、言えなかったこと

同志社大学今出川キャンパスのクラーク記念館(重要文化財)=京都市上京区
たとえば、
電車のなかで、
誰かと誰かがしゃべっているのが耳に入ってくる。

この間も大学生らしい男性ふたりが…
「何かなぁ、きょう授業で先生が言うてたけど、吉本ばななって知ってる?お父さんも有名な人らしいで」
「よしもと、っていうんかなぁ。吉本興業の関係かぁ?」
「そんなんと違(ちが)うみたいやで」
「そんなら梅田のマルビル、建てた人ちゃうん。吉本とかいうてたで」
「えっ、それは吉本興業の関係とちゃうんか」
「そやけど、吉本ばななの本って何か読んだ」
「『蛇にピアス』とかか?読んでないけど」

あのね、もうね、声が出かけましたよ…。

2015-07-03

【小ネタ】「ICOCA」もなかったころ

きのう(2015年7月2日)は今週2回目の休肝日で、
アルコールは摂取せず、
本日(3日)も、
サクッと、独りのみのはずが…。
居酒屋の止まり木の隣に座った、おじさん(66歳)と話し込んでしまって、
予定より、少々多く呑んだのでございます。

はしご…ということにはならなかったのですが、
ほろ酔いよりは、いささか、上機嫌といった按配。

しかし、
そんなことで、
このブログの連続更新記録は途絶えさせたくない。

2015-05-30

俗字のバカ野郎

近鉄・奈良線の電車内の吊り広告=2015年5月29日

新聞社・通信社はどこも、

「たんけん」は「探検」、
「ぼうけん」は「冒険」と表記することになっています。
「検」と「険」に使い分けですね。

「冒険」の「険」を「検」にすると、
明らかに間違いって感じですけど、
微妙なのは「たんけん」ですね。

きのうも仕事で近鉄奈良線に乗っていたら、
「明治探険隊」と印刷された吊り広告を見ました。
明治村(愛知・犬山市)のイベントの宣伝です。

「たんけん」が「探険」と表記されると、
職業的に染み込んでいる意識が、

違和感を覚えるわけです。

実際、大学のクラブ・サークルは「探検部」が一般的ですし、
インターネット百科事典「Wikipedia」で調べても、
「たんけん」は「探検」です。

しかし、
辞書で引くと、
「探検」「探険」が併記されているのがほとんどです。

固有名詞にしても、
漫画家の東海林さだおさんのエッセー集は『行くぞ!冷麺探険隊』(文春文庫)で「険」をつかっています。

また三島由紀夫は『豊饒の海』のなかで「探険」を使用しています。

さらに、古代漢字研究の第一人者で文化勲章も受章した白川静の字書三部作のなかの漢和辞典『字通』(平凡社)の「探」の項(1057ページ)には「探険」しかなく「危険を避けずにしらべる」とあります。
ただし「検」の項(442ページ)の語彙のなかに「探検」がありますから「危険」の有無が表記に関係しているようです。

…というわけで、
どちらでも良さそうですが、
僕は「探検」を使い続けるでしょう。
深い意味はないけど、
馴染みの問題ですね。

ちなみに
「波瀾万丈」も「波乱万丈」と書くのは誤りだとの説があって、
新聞では「波瀾万丈」を使いますが、
これもどちらでもいいみたい。
僕が小学生のときに使った古い辞書でも併記されています。

でも「波乱万丈」と紙面に載って、
「間違いだ」という指摘の電話などをいただいたことがあります。
「波乱」は誤用だと信じこんでいる校閲記者もいて、
往生したことがありますが、
詳しくは書きません。

職業病というか、
印刷物などの表記は気になります。

人名になると間違いは歴然ですので、
言い訳ができない。
…ということで、
「これは気をつけないといけない」という間違いやすい典型例があります。


たとえば、
「緒形拳」を「緒方拳」としてしまいそうになるのが一例で、
「萬屋錦之介」と「中村錦之助」がごっちゃになって、
「萬屋錦之助」とか「中村錦之介」としたり、
「世良公則」が「世良政則」になったり、
「中村美律子」が「中村美津子」と惜しかったり…。
ただ、この場合「美津子」が本名らしいので、
微妙ですね。

それから兄弟なのに、
「蘇峰」は「徳富」、
「蘆花」は「徳冨」…というややこしいケースもあります。
(ぱっと見て違いがわかりますか?)

個人的に苦手なのは自分の姓の俗字表記にこだわる人間です。
(ちなみに「冨」も俗字)
特に姓に多い「高」と「崎」の俗字。
このふたつの漢字の俗字は機種依存文字なので、
インターネットなどの場合、
ちゃんと表示されないことがあります。
新聞社のサイトの場合、
機種依存文字は使いませんから、
本来の文字を使います。

「高」の俗字はいわゆる「はしごだか」
「崎」は「大」が「立」という表記です。
「澤」は「沢」の旧字・本字ですけど、
それとは意味が違う。
俗字の場合は、
ちゃんと正しい字があって、
俗字の方はデザインの問題みたいなもんです。
その証拠に「高校」の校章は「はしごだか」が使われているケースが多いですよね。
NHK連続テレビ小説の『純情きらり』は愛知県岡崎市が舞台ですけど、
番組のなかに登場する味噌屋かなんかの店の方が着ている法被(?)の染められている「岡崎市」の「崎」は俗字でしょ。

僕の名前にも「崎」が入っているんですけど、
戸籍上では、
俗字のほうなんです。

でもね、
これは多分むかし役場の人間が、
本来の「崎」を、
俗字で手書きしたのが活字化されデジタルデータになったときにそのままになっただけでしょう。

その証拠に、
僕の親戚の墓の表記は昔から「崎」です。
どうも親戚内でも、
住んできた地域によって戸籍・住民票も、
「崎」と、その俗字が入り混じっているようです。

で、
何が面倒かというと、
戸籍が俗字だと、
ネット上の表記も「そちらで」とこだわる方がいます。
俗字を旧字・本字だと誤解しているバカ方もいらっしゃいますし。

それから銀行に行って、
書類の名前の欄に「崎」で書くと、
身分証明書にした運転免許証の表記と違うっていうんで、
訂正させられます。
面倒です。

こだわりたい方はいいですけど、
もう法律で俗字の場合は、
戸籍が俗字でも、
正字で問題なし!ってしてくれませんかね。

公文書に署名するときに「崎」って書くと、
警察や検察から因縁つけられて
虚偽記載で検挙されることはないと保証してほしいもんです。

だいたい先に引用した『字通』には、
崎の俗字なんて全く影も形もありませんもんね。

それに、
僕の名前は、
「崎」の画数でつけられているんです。
俗字だと画数が変わって縁起が悪い……
…ってこだわっているのは僕なのかな。

それにしても、
「探検」から始まったせいか、
密林で迷ったような文章になってしまいました。

おあとがよろしいようで。
チャカチャンリン♪チャンリン♪

2015-05-04

「阪急そば」の罠

阪急梅田駅1番ホームの「阪急そば」の看板

落語のネタでも江戸が「時そば」なら、

上方は「時うどん」です。

大阪は、そばよりも、うどんということになっています。

昨日(3日)、大阪・阪急梅田駅のホームで、
看板を見かけました。
もちろん、
これまでも見ていたに違いないのですが、
きのうはちょっと気づいた、
というか気になることがあったんです。。

それが駅の一番東側の1番ホームにある「阪急そば」の看板です。

ちなみに「阪急そば」は、
運営する株式会社阪急・阪神レストランズのwebサイトに、
“「旨い」「早い」「安い」をコンセプトに創業48年を超える駅そばのパイオニア”とあります。

wikipediaによると、
“1967年(昭和42年)に阪急電鉄十三駅構内に関西私鉄で初めての立ち食いそば・うどん店として十三店を開いたのが始まりである”とのこと。

阪急電鉄は関西の企業で大阪に拠点があるんですから、
「阪急うどん」ではダメだったのか…と、
いまさらながら考えたわけです。

“関西私鉄で初めての立ち食いそば・うどん店”ということは、
関西私鉄以外で、
先例があったということなんでしょうね。
鉄道の駅にある立ち喰いそばの店には「駅そば」という呼び方が以前から、
あったそうですから、
やっぱり駅に開設する場合は、
「そば」が当たり前で、
阪急の関係者の中からも、
「駅なんで、そば、ってことで」と、深く考えず、
名前をつけてしまったのかもしれません。

もしかしたら、
名前を決める会議で気の弱い関係者もいて、
「大阪やから、うどんのほうがええのと違うやろか…」と内心、悶々としてたけれど、
「駅」は「そば」という既成の趨勢に流されて、
言い出せなかったのかもしれません。

一方で、
阪急の社員のなかには船場の老舗繊維問屋とかの次男、三男の方がいて、
「立ち食いみたいなもんに『うどん』です、と看板だして、
味に、うるさい大阪の客に『こんなん、大阪で、うどん言われたら、どんならん』と文句いわれたあかんさかい、ここは、もう定着してる『そば』で」という強い意志を持って名づけたのかもしれません。

それはさておき、
この看板、ご覧になっていただいたら一目瞭然、
文字には「そば」という文字しかないのに、
写真はちゃんと「きつねうどん」…大阪でいうところの「けつねうろん」です。

普通、これが印刷物を扱う世界なら、
「うどんという言葉がひとつもないのに、
写真は、うどんっていうのは変でしょう」となるはず。
「どこかに『うどん』という言葉を入れないと、
ミスだと思われます」と、
しつこく主張する方は必ずいる……ような気がします。

しかし、
あんまり違和感は覚えません。

「阪急そば」で、うどんを食べるのは、
当たり前のこととして定着しているからでしょうか。
実際、阪急そばに行くと、
そばよりも、うどんを食べてる客のほうが多い気がしますし、

とはいえ、
巧妙なフェイントみたいな気もするし…。

なんだか腑に落ちず、
あらためて阪急そばのwebサイトの「季節のおすすめメニュー」をみてみると、
2015年5月4日現在、
「鶏五目そば・うどん」「<冷たい>田舎出し汁そば・うどん」「ポテカレーそば・うどん」と、
律儀にそれぞれ「そば・うどん」と併記しています。
しかし、です。
写真はすべて、うどん。
「鶏五目そば」はないわけです。

さらにもっと、
僕を困惑させたのが、
このラインナップ最も目立つ左端にある、
イチオシとみられるメニュー。
それが、
「ピリ辛!冷やしきしめん」…なんです。

そばでも、うどんでもなく、
きしめん…。

どないやねん。

「おみゃーさん、そりゃ、ややこしいてぃかんで」と名古屋弁が出そうになります。

…と書いていると、
無性に阪急そばで、
きつねうどんが食べたくなってきました

恐るべし「阪急」。