アリの集団は常に全ての個体が働くより、働かないアリがいた方が長く存続できることを、北海道大大学院農学研究院の長谷川英祐准教授の研究チームが突き止め16日、英科学誌電子版に発表した。働き者のアリが疲れて休んだ時、怠け者とみられていたアリが代わりに働くためという。「一見無駄な働かないアリも、集団の長期的存続には欠かせない。人間も含め、短期的効率を求めすぎると、組織が大きなダメージを受けることがある」と長谷川准教授。「組織運営に当たり、長期的存続の観点を含めて考えることの重要性が示された。会社で働かないと思われている人も、相対的に腰が重いだけで、ピンチとなれば活躍する可能性はある」と話しているそうです。
会社で、あんまり働かないんで、若手の視線が痛いオジさんオバさんには朗報のようでもあります。
もちろん組織を存続させるためのヒントとしては有効に違いありません。でもオジさん・オバさんへの朗報ではない側面は色濃いと思います。
「俺の時代が来るかも」と明るい日差しを感じて胸をなでおろしたオジさんには悪いけれど…。
アリさんたちの集団の場合、怠け者というだけで、実際の能力は働き者とほぼ変わらないという前提で、長谷川准教授の“説”は成立するわけです。
つまり働き者が休息しているときに、ちゃんと代わりができないと、仕事が回らなくなってしまうことは容易に想像できますし、それが当然ですよね。単なるサポートだけでは働き者は休めません。
「働く=生きる」社会の残酷さ
アリの集団はたぶん厳しいんです。
加齢による体力の衰えなどがあまり関係ないうえ単純労働であれば、いいんですけど、これから、そんな仕事はロボットがやってくれますし、実際、現実にその傾向は強まってきています。
そうなってくると、たとえば、現在のIT環境に応じて自分のスキルを発揮することなんかが求められてきます。
今回の研究結果は怠け者のアリがイザっ!というときには働き者の代わりができないといけない。
そうでなくては、働き者の負担を減らそうとすると、生産効率を高めるか、仕事そのものを縮小して、富の全体を縮小させるしかない。
これって、今まさに高齢化が進む社会の問題。働きアリの場合はほぼ生存期間が生産年齢と重複するけど、人間はそうじゃないですもんね。
生存期間と生産年齢が一致する社会って、つまり…そういうことですよ。生きることは働くことなので、働かないことは…。
それを社会保障とか福祉とかでカバーするのが人間の社会なんで、やはりアリとは違うんですよね。
自分が50代になってみると、この研究結果はなかなか残酷な寓話なのではないか、と感じました。
ただ、老化をカバーできる技術も進むでしょうから、年功序列でなくフレキシブルに仕事が処理できる態勢を整えれば、何とかなる、とも言えるんでしょうけどね。
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